- 2023年12月2日
日本のドラマ界において、脚本家の交代は珍しい出来事ではありません。
人気ドラマ「セクシー田中さん」のような作品で起った脚本家交代が、多くの視聴者や業界関係者の関心を集めます。
このドラマは、第1話から第8話までを相沢友子が手掛け、第9話と最終話は芦原妃名子が執筆しました。
では、この二人の脚本家の間に何があったのでしょうか?
相沢友子と芦原妃名子の間のトラブル
「セクシー田中さん」は、芦原妃名子の人気漫画を原作としています。
ドラマの初期段階では、相沢友子が脚本を担当し、その独特の世界観とキャラクター描写で描きましたが、ドラマの進行と共に、原作との乖離が指摘されるようになりました。
特に、原作のファンからは、ドラマの解釈が原作の意図と異なるという声が上がり始めました。
ドラマ化に当たって約束した内容が守られず、全10話のうち、9話と10話の脚本を自ら書くことになったのです。
これは、原作の世界観をより忠実に反映させるため、また、ファンの期待に応えるための決定でした。しかし、この交代には、相沢友子と芦原妃名子の間のクリエイティブな意見の相違があったとも言われています。
ドラマ化の話に芦原さんが同意したのは23年の6月上旬で「必ず漫画に忠実に」する、そうでない場合には芦原さん自身が加筆修正する約束を取り付けました。
またドラマの終盤は芦原さん自身が“あらすじ”やセリフを用意し、脚本に落とし込む際に原則変更しないことを希望しました。
原作漫画は連載中(小学館『姉系プチコミック』掲載)で完結していないので、ドラマで描かれるオリジナルの終盤が、漫画の結末に影響を及ぼす可能性を考慮したのです。
ただ、こうした条件は、制作スタッフに対して大変失礼と承知していたため、この条件で良いか事前に小学館を通じて何度も確認していました。
ところが、芦原さんの意図に反し、毎回大きく改変したプロットや脚本が提出され、芦原さんは変えてほしくない理由を説明し加筆修正しました。
これにより1~7話はほぼ原作通りとなったものの、芦原さんはこの時点で相当疲弊していまったのです。
芦原さんが指摘する改変は、主に以下のような点です。
・漫画であえてセオリーを外して描いた展開を、よくある王道の展開に変えられてしまう
- 個性の強い各キャラクター、特に朱里・小西・進吾は原作から大きくかけ離れた別人のようなキャラクターに変更される
- 「性被害未遂」「アフターピル」「男性の生きづらさ」「小西と進吾の長い対話」など、漫画「セクシー田中さん」の核として描いたシーンが大幅にカットや削除され、まともに描かれない。理由を聞いても、納得できる返事がない
他にも細かい不満は多々あったので、芦原さんは「作品の個性を消されてしまうなら、私はドラマ化を今からでもやめたいぐらいだ」と何度も訴えました。
オリジナル展開となるドラマ終盤(8~10話)の脚本も、芦原さんが用意したあらすじやセリフを大幅に改変されていました。
小学館を通じて抗議しても改善されず、芦原さんは脚本家の交代を要求し、芦原さんが書いた脚本を制作側が整える形となりました。
ドラマの最終回は、視聴者の間で賛否両論で、SNSでは「とても良かった」「個人的には賛成派」といった意見がある一方、「違和感があった」「話が飛んだ印象」という感想もありました。
芦原さんは最終話について「私の力不足が露呈する形となり反省しきり」と視聴者やファンに謝罪しました。
仕事を外された脚本家の相沢友子さんは、ドラマ最終回の放送前に自身のInstagramアカウントで、「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることとなりました」と報告しています。
また最終回の放送後には「最終回についてコメントやDMをたくさんいただきました」と明かし、自分が執筆した脚本ではないと改めて説明しています。
さらに「今回の出来事はドラマ制作の在り方、脚本家の存在意義について深く考えさせられるものでした。この苦い経験を次へ生かし、これからもがんばっていかねばと自分に言い聞かせています」と経緯を語っています。
原作者・芦原さんのブログ記事は、こうした視聴者や関係者の反応を受け、自分の立場から背景を説明する意図があったとみられています。
しかし現場とのパイプ役になるはずだったプロデューサー陣やドラマ制作現場のあり方に苦言を呈する結果となり、苦悩の末自殺に至ったのかもしれません。
ブログは削除されていましたが、アーカイブに芦原さんの気持ちが残っています。
最悪の結末にファンのみんなが悲しんでおりますが、相沢友子さんに対する批判もありました。
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ayano ブロガー
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